活動報告

平成29年度 埼玉県薬剤師会青年部講習会

平成30年2月4日(日)埼玉県県民健康センター3階会議室において、埼玉県薬剤師会青年部講演会が開催されました。
本年は勝和会病院薬局長 救急認定薬剤師であります出口弘直先生をお招きし「輸液製剤と輸液療法の基礎」と「輸液から考える全身管理」をご講演いただきました。

当日は30名以上の参加者で会場が満席でした。参加できなった方もいらっしゃると思いますので、講演内容を少しですがご紹介したいと思います。
救急医療において、昨日と比べてどうか?この治療で明日はどうなっているのがベストか?どうなっていたら治療方針を変更するのか?と時間軸で考えることが必要であり、慢性疾患においては、5年後10年後を見据えて治療方針を考える必要があります。
バイタルサインも「時間軸・組み合わせ」で考えていつもと違わないか確認し、正常値・緊急時の指標を把握しておけば緊急通報できます。呼吸は1秒で吸って2秒で吐くから20回/分以下ですし、逆に10回未満または30回以上もおかしいとわかります。さらに、血中イオン濃度の中でも【Na140、K4、CL100(mEq/L)】は頭に入れておいてほしい項目だとおっしゃっていました。
水分管理の基本として、細胞内液を含めた身体全体への水分の補給には5%ブドウ糖液を、細胞外液の補充には生理食塩液を用います。5%ブドウ糖液を用いるのは、代謝されてH2Oが生成されるからです。アルブミンは分子が大きく血管内から外に移動しないため静脈血液の水分量を保持する役割があります。
輸液は血管内水分量を確保して全身循環を円滑に保つことが大きな目的であり、輸液を理解するためには心臓・肺・腎臓の3つの臓器の働きとその関係を知ることが重要です。
【心臓は全身に血液を循環させるポンプ→肺がO2を受け取りCO2を排出→O2や栄養を全身に送り、代謝により生成された尿素やCO2などの老廃物を腎、肺に届ける】
出口先生は、臨床は応用の連続であり、学んできた基礎を自分の知恵として活かしてほしいとおっしゃっていました。

今回参加させていただき、身体機能を全体的な動きとして理解すること、また、在宅などで患者さんの異変に気付けるよう、個々の状態を把握しておくことが大切であると感じました。

報告者 星 知子(熊谷薬剤師会)

広告

埼玉県薬剤師会青年部 スキー・スノーボード交流会報告

平成30年1月28日 9:00-16:00
場所:たんばらスキーパーク

2018年1月下旬。草津の白根山は35年ぶりの噴火、関東は大雪に見舞われ、秩父では連日氷点下を記録。秩父市長宅の水道も凍結するほど冷え切っていましたが、心は燃え上がっています。そう、スキー・スノーボード交流会!

当初湯の丸スキー場で予定していた交流会ですが、種々考慮の上でたんばらスキーパークに変更し、参加者は大人10名子供5名の15名、会員・非会員もさることながら今年は医師やブラジル人も参加していただく盛況ぶりです。
私は約10年ぶりくらいのスキーでしたし、何よりスキー未経験の小学生2人を連れており、楽しみ半分と不安半分の参加でした。開始直後に不安は的中。3人分のスキーセットを持ち、靴の履き方、板の付け方、転び方等教えながら、このまま何も滑れずに終わるんじゃないか・・という焦りに駆られました。雰囲気を察したのか、横に青年部会員の方々が来て一緒に手取り足取り手伝っていただき、どうにかリフトで山の上へ。1本目こそ半泣きになりながら降りた小学2年生の長男もお昼休みには「早く滑ろう!」と言うほどでした。これも出だしが上手く出来たから。仲間が助けてくれたから。感謝してもし足りないくらいです。

お昼にはアイドルグループのかき氷早食い選手権が開催され、青年部代表として参加した岡田氏は予選を勝ち抜き見事5位入賞です。青年部会員や家族からも喜びとお祝いの声が上がりました。何より岡田氏の体調も崩れることなく、より活気にみなぎり雪山を制し、さわやかな笑顔で入賞の景品を掲げていたのが印象的でした。交流会はリフト終了時間ぎりぎりまで雪山を堪能し終了、渋滞に巻き込まれましたが事故無く無事に帰宅しました。

今回の交流会も普段ではできない話、助け合い・教え合い等、たくさんの思い出や楽しい時間を持って帰れたのではないでしょうか。少なくとも我が家の子供たちは素晴らしい思い出になりましたし、異文化交流もできて大喜びでした。名前は知っているけれど・・・というメンバーや医療スタッフ、普段接点がない面々と気軽に繋がれる。出会いの場は目の前に広がっていますよ。

埼玉県薬剤師会青年部 逸見和範

『薬剤師のための英語論文を読む会・サイカケル8』及び『薬剤師のための基礎統計学講座』

7月23日、浦和にて開催された『薬剤師のための英語論文を読む会・サイカケル8』及び『薬剤師のための基礎統計学講座』に参加させていただきました。)

『薬剤師のための基礎統計学講座』は3回コースで、今回がその3回目。最終回の今回は『検定』についてお話をいただきました。

タイトルに『薬剤師のための』とついている通り、井上先生には3回の講義を通じて常に現場に役立つものをという視点からお話しいただいたと思います。添付文書を読むにあたっての注意事項や、有意差と薬の有効性に関連はあるのか等、統計を身近に感じられるような切り口をたくさん用意していただき、大変有意義な講座でした。井上先生、ありがとうございます。

『統計学講座』については、今回は基礎の基礎ということで、希望があれば応用編も開催していただけるそうです。また、日高、熊谷では同じ基礎編が現在も開催中ですので、ピンときた方は是非ご参加ください。

また、『サイカケル』では、上記の統計学講座の流れを汲みながら、リンゼス錠0.25mgの論文を取り上げていただきました。文献としても大変勉強になったのですが、今回それ以上に面白かったのが、その論文上で薬剤の有効性を確認するために設けられた質問事項。「便秘が改善したか?」を判断するために、便の堅さだけでなく、頻度、スッキリ感の変化や「いきみがなくなったか」ということまで。我々が便秘の方のお話を聞くときにも、これだけの確認方法があるのだと学ばせていただきました。早速、今後の業務に生かしていきたいと思います。

『サイカケル』も、引き続き月に1回のペースで開催される予定です。また、今後理学療法士のリハビリ指導、栄養士の食事指導等も併せて行われる計画がありますので、こちらも是非奮ってご参加ください。

青年部会員 藤野智子(やわらぎ薬局)

青年部バーベキュー親睦会 みんなで秩父へ!!~長瀞名物ライン下りもみんなで乗ろう~

平成29年5月21日  11時~15時
場所:長瀞 古沢園

今回は秩父の長瀞にある古沢園にてバーベキュー親睦会を開催しました。
最高気温33.4℃を記録する猛暑にも関わらず、遠方より多くの方が参加してくださいました。参加者は27名、うち4名はなんと大学生です。非会員の参加者も全員青年部に入会していただきました。

 

バーベキュー会場は近くに湧水が流れる深緑に囲まれた涼しい山裾で開催されました。食事は肉、野菜、きのこ、焼きおにぎりといった美味しい秩父の幸がてんこ盛りです。


親睦会への参加が初めての方もたくさんいましたが、各テーブルで会話に花が咲いていました。私のテーブルでは、「将来自分の店舗を持って薬剤師として活躍したい」、「学生時代に勉強した漢方の知識を生かしてOTC販売を頑張りたい」などの話が聴け、自分ももっと目標をもって頑張ろうという気持ちになりました。

 

続いて長瀞名物ライン下りへ。和舟で長瀞を流れる荒川を下り、大自然を満喫するのがライン下りの醍醐味です。最近では土屋太鳳さん出演の西武鉄道テレビCMでも話題になっています。

川の流れが緩やかな時には巨大な岩に囲まれた迫力ある景色を眺め、急な流れの時には風を感じながら絶叫マシンのようなスリルが味わえました。乗船し終わると、癒しと興奮で私の日々の疲れが吹き飛んでいました。秩父にお越しの際は乗らなきゃ損です。

 

全体を振り返って、親睦会は楽しく仲間と親睦を深められる集いになったと思います。バーベキューやライン下りをするうちに自然と会話が生まれ、どのような薬剤師がどこで何をしているのか、といった情報交換ができました。こういった親睦はただ勉強会で顔を合わせるだけではなかなかできません。食事や自然を堪能しながら親睦を深められたことは、私にとってとても充実した時間となりました。

皆さんも是非青年部に入会して楽しく語らいましょう!!

青年部会員 杉山晃平(秩父郡市薬剤師会)

薬剤師のための論文の読み方を学ぶ会「サイケケル6」および「第二回薬剤師のための基礎統計講座」活動報告

平成29年4月23日(日)10:00〜13:30
場所:レンタルスペースホーリィ浦和

 

 

 「第二回薬剤師のための基礎統計講座」講師は埼玉県薬剤師会青年の井上重之先生です。今回はまず母集団と標本についてわかりやすく説明していただきました。
分散とは数値データのばらつきを表すための指標です。値が大きいほど平均から離れていることになります。
標準偏差はデータと単位をそろえることにより比較ができるようになります。標準誤差では母平均にどれだけ近い値を表す指標です。標準偏差と標準誤差は似ていますが異なる性質を表すものです。
また、トピックスとして偏差値についてお話がありました。数式で表しますと偏差値=50+10×(取った点数-平均点)/点数の標準偏差です。偏差値が70以上の人は上位2.5%に入っていることが分かります。具体的でとてもわかりやすい内容でした。
ありがとうございました。

 「サイカケル6」では、2016年にGUTに掲載されました
Vonopurazan,、a novel potassium-competitive acid blocker,as a component of first-line and second-line triple therapy for Helicobacter pilori eradication: a phase III ,randomized,double-blind study
の論文を取り上げました。

タケキャブによるピロリ菌除菌の第Ⅲ相試験のデータです。
まずPPIの薬効のメカニズムを有機化学の視点からわかりやすく説明していただきました。PPIとボノプラザンは分子構造からみて違うお薬ということを改めて理解しました。
論文を読み始めるとボノプラザン使用による効果はとてもよく有意差を持って除菌率を改善しました。2次除菌では98%の効果でした。また、サブ解析では年齢やMICやCYP2C19により効果に違いがあることがわかりました。
一般的にピロリ菌除菌率が近年下がってきている理由の一つは耐性菌が増えてきたためと考えられています。
最後に論文を読み終えて、ボノプラザンに変えてピロリ菌の除菌率は改善したが理由が良くわからないという意見がありました。ピロリ菌の生態も完全には解明されていません。耐性菌が出てきている事はわかっている。他にも胃酸分泌能の違いも関係しているのかもなど幅広い意見が出されました。皆さんも一緒に参加して知識を深めませんか。

青年部会員 友成 康二(ふれあい薬局)

サイカケル5活動報告

 3月15日(水)浦和で行われた「薬剤師のための英語論文の読み方を学ぶ会・サイカケル5」を主催しつつ参加させていただきました!
 今回は、なんと横浜から学生の方が参加され、平均年齢を引き下げてくださいました(笑)この場を借りて御礼申し上げます。


 肝心の論文は、前回に引き続き「運動と記憶」に関連したテーマ。運動することで、脳の海馬が大きくなったり、記憶する力が上がるという、仕事に(自分にも?)生かしやすい内容でした。

Exercise training increases size of hippocampus and improves memory.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2011 Feb; 108(7): 3017-3022. (PMID: 21282661)
(こちらから全文が読めます)
http://www.pnas.org/content/108/7/3017.long

 本当にポイントだけ申し上げると、有酸素運動を1日10分、週3日から始めて、1週間ごとに5分ずつ時間を長くしていく。そして最終的に1日40分、週3日の有酸素運動を1年間続けることで、記憶を司る海馬が大きくなり、空間認識の力も上がるとのことです。有酸素運動については、「運動強度」や「カルボーネンの式」などで調べていただくと、目標とする心拍数が分かります。年齢によっても違ってくるようなので、ご興味のある方は是非、調べてみてください。
 そして、大事なことですが、この論文の被験者は65歳から80歳の方々。自分も成長期はとうに終わりましたが、さらに上の年齢になっても取り組み次第で身体を向上させていけるということにとても勇気づけられました。この点、仕事にも生かしていきたいと思います。
 余談ですが、写真は海馬の絵(笑)今回は少人数だったこともあり、雑学を交えたとてもアットホームな会になりました。自分も、これで5回参加したことになるのですが、いつもとても勉強になっており、また色々な方にお会いできてとても幸せです。ご参加いただいた皆様、そしていつも講師を務めてくださる工藤さん、本当にありがとうございます。
 最後に、少しだけフライングで告知させていただくと、次回は4月23日(日)午前、サイカケルと統計学勉強会の2本柱になります!また、皆さまと勉強させていただけるのを楽しみにしております。

青年部会員  藤野 智子

薬剤師のための論文の読み方を学ぶ会「サイケケル4」および「薬剤師のための基礎統計講座」活動報告

平成29年2月19日(日)13:00〜16:30
場所:レンタルスペースホーリィ浦和

img_0360

「薬剤師のための基礎統計講座」では代表値について学びました。
まず、統計学に入る前にグラフ、数字は批判的に読み解いていくことが必要であることを、グラフのトリック、数字のマジックとして紹介していただきました。グラフは一つのデータから作成者の意図で見る側の意識が大きく変わること、数字はわかりやすいメジャーである反面誤魔化すこともできてしまうということをわかりやすく解説していただきました。

代表値はデータの特徴をとらえるための統計量の総称であり、代表的なものに算術平均値、中央値、最小値、最大値、最頻値があります。それぞれを実際のデータで確認し、代表値1つではデータを端的には表すことができないということを学びました。
次回はこれらのデータ群を区別するために必要な統計量である偏差についてお話しくださるとのことです。

演習として、ヒストグラムというデータの分布が視覚的にわかる統計グラフをExcelで書いてみました。そのデータを用いて、最大値、最小値をExcelで表記する方法を教えていただきました。

「サイカケル4」では米国睡眠医学会のジャーナル「SLEEP」に2013年に掲載された
Regular Exercise Prevents Sleep Deprivation Associated Impairment of Long-Term Memory and Synaptic Plasticity in The CA1 Area of the Hippocampus .
SLEEP.2013May;36(5):751-61.(PMID23633758)
を取り上げました。

img_0358

今まで睡眠不足により長期記憶の低下が起こり、それに海馬が関係しているだろうといわれてきました。この論文ではラットの長期記憶を確認する行動実験、海馬のCA1エリアにおける電気的刺激の確認、海馬においてシナプスの可塑性が起こった時に発現するタンパク(BDNF、CaMKⅣ、MAPK/ERK、P-CREB)の確認の3つの方法で検証しています。実験のデータを見る際には「基礎統計講座」で学んだ平均値がどのように表されているのかを確認しながら論文を読み進めました。
結論として、睡眠不足による記憶低下は運動を行うことで改善できること、また、それに海馬が大きく関わっていることを報告しています。

2010年以降、運動による記憶力向上や認知症予防の報告が多くなっています。この論文は運動による記憶力の向上に海馬が大きく関わり、高齢や認知症による記憶力の低下を運動により取り戻せる可能性があることを示唆しています。

以下のURLから論文の全文を読めます。
https://academic.oup.com/sleep/article-lookup/doi/10.5665/sleep.2642

次回は運動と記憶力の関係について認知症を含めた話に発展するとのことです。

いずれの講座も次回が楽しみです。

青年部会員 上妻加奈(かくの木薬局)